それまでギャンギャン泣いていた赤ちゃんが、助産師が抱っこをするとピタッと泣き止んだという経験をしたことがありませんか?
確かに卓越したプロの技なのですが、その赤ちゃんをピタッと泣きやませる抱っこの方法実は誰にでも出来るテクニックだったのです!
私自身、看護師経験がありますが赤ちゃんのお世話は初心者。
ですが、教えてもらった「まんまる抱っこ」の方法で赤ちゃんがピタッと泣き止んだという経験を何度もしています。
まんまる抱っことは、助産師考案の赤ちゃんを抱っこする時の抱っこの方法で「赤ちゃんがすぐに泣きやみグッスリ寝てくれる本」という本で紹介されている方法です。
本記事では、まんまる抱っこの方法の簡単な説明と私がまんまる抱っこで泣いている赤ちゃんをピタッと泣き止ませた経験談をご紹介します。
また、実際に本を読んでみて看護師としての「まんまる育児」のデメリットも後半にまとめているのでぜひお読みください。
まんまる抱っこの提唱者はトコちゃんベルトを作った助産師
まんまる抱っこの提唱者が助産師なのは知っていたのですが、本を読んでびっくり!
あのトコちゃんベルトを作った助産師だったんですね。
トコちゃんベルトは、産前産後の骨盤ケアに大人気のベルト。
使っている方、たくさんいらっしゃると思います。
助産院で取り扱っているところも多く、見かけたことがあるママ多いのではないでしょうか。
まんまる育児抱っこの方法は?
まんまる抱っこの方法は、ざっくり言うと「お腹の中にいたときと同じような”まんまる”になるように抱っこする方法」です。
胎児は、ママのお腹の中でイラストのようにまんまるに丸まっています。
その姿勢を目指す抱っこが「まんまる抱っこ」です。
全身を丸く
手足を伸ばさない
ねじらない
この三原則を守る事がとても大切です。
ママの手はどうやって回す?赤ちゃんのどこを支える?
初めての赤ちゃんの抱っこだとイメージがつかないと思いますが、本ではイラストや写真を使って詳しく説明されているので安心してください。
また、抱き上げる時からまんまるを意識するようにするやり方もイラストで説明されていて分かりやすかったです。
まんまる抱っこの効果を実感した経験談
まんまる抱っこの本、私が読んだのは実は子どもが1歳を過ぎてから。
でも、「お腹の中にいた時と同じようなCカーブを保つ抱っこの仕方が、赤ちゃんは落ち着く」と知っていました。
どうして知っていたかと言うと、私が看護学生で産婦人科実習に行ったときの事。
余りにも赤ちゃんの抱っこがへたくそでワタワタしていた私に、助産師の先生から教えてもらった抱っこの仕方が「まるまる抱っこ」の方法でした。
看護師の教科書には載っていないし、国家試験にも出ない、赤ちゃんが落ち着く抱っこの仕方でした。
すごく実践的な事を習ったのですが、産後すっかり忘れていた間抜けな私。
再び、「まんまる抱っこ」を教えてもらったのは出産した病院の助産師でした。
母子同室初日、授乳しても抱っこしても泣き止まない夜。
2人部屋の相方にも気を遣うし、身体は疲れ切っていて、赤ちゃんは泣き止まない…
そんな時に来てくれた助産師が、まんまる抱っこをしたらすぐに泣き止んだのです!
産後、もう一度抱っこの仕方を教えてもらい習得。
自宅に帰ってからも、赤ちゃんが泣いたらまんまる抱っこをして落ち着かせてあげるようにしました。
空腹だとか疲れすぎだとか、泣く理由がしっかりと分かれば対応できます。
しかし、分からない時はとりあえずまんまる抱っこをすれば子どもは落ち着いてくれたので、本当に教えてもらってよかったと思いました。
まんまる育児は、抱っこの方法だけじゃなかった
そんな経験をしていたので、「まんまる抱っこ」にはかなり肯定的な気持ちでいました。
起こしておく時間が長くなってしまってぐずりやすくなった時や、うまく寝付けない時には「まんまる抱っこ」を意識して落ち着かせていました。
根本的な理由(空腹や疲れすぎなど)がある場合は解決されなければまた泣いてしまうのですが、まんまる抱っこをすればその場は泣き止んでくれ出先などではとても助かりました。
でも、まんまる抱っこの方法だけで一冊の本?
そこで気になって本を読んだのですが、まんまる育児は抱っこだけじゃありませんでした!
いくつかある中で、私が印象的だったものをご紹介します。
まんまるの姿勢で寝かせる
まんまる抱っこの効果は、身をもって実感しました。
そのまんまる抱っこ、本の中ではまんまるの姿勢を維持したままそのまま寝かせるとあったのです。
ベビーベッドに赤ちゃんを寝かせても、まんまるの姿勢は保てません。
じゃあどうするかというと、毛布や枕やかごを使って赤ちゃんの姿勢がまんまるをキープできるようにするのです。
理由は「まんまる抱っこ育児のデメリット」の項に書かせていただいていますが、このやり方は赤ちゃんの命に関わる危険性もあると思います。
ベビー体操で落ち着かせる
本の中では、泣いている赤ちゃんを落ち着かせるオリジナルベビー体操の方法が3種類紹介されています。
このベビー体操とよく似た体操、私も本を読んで勉強したり教室で習ってやっていました!
確かに落ち着きましたし、それよりも親子のスキンシップにもなって楽しかった記憶があります。
月齢が上がればケタケタ笑うようになり、思い出した時にやってあげると今でも喜んでくれます。
そして、体操は赤ちゃんを触ったり観察する機会になり
- 股関節の動きが左右で違うかも
- 向き癖で左右の皺の入り方が違う
- 片方の足があまり動かそうとしない
など、赤ちゃんの体の変化や癖に気付きやすくなりました。
実際にまんまる育児のベビー体操をした経験があるわけではありませんが、赤ちゃんとのスキンシップもかねて行うのはおすすめです。
おくるみの使い方が参考になる
まんまる育児では、赤ちゃんをおくるみで「お雛巻き」にします。
私が経験のあるジーナ式でも、赤ちゃんを寝かせる時はおくるみできゅっと包んであげるのですがこれがなかなか難しい。
不規則に動く手足をかわしながら、きゅっとキレイに包むのは本当に難しかったです。
その方法が分からない人は、この本の解説が分かりやすいと思います。
本に載っているどんな場所で巻いてあげれば上手にできるのか知っていれば、私ももう少し上手にできたかなと思いました。
私と同じくジーナ式をしている方も、この本でおくるみを巻くのが上達したとおっしゃっていたので、おくるみの巻き方に悩んでいるママ必見です。
しかし今は、スワドルミーなど簡単に誰でも上手に赤ちゃんを包めるアイテムもあるので、大変だと感じたら便利グッズを試してみるのもいいと思います。
赤ちゃんを入れて、両側をペタペタっと留めるだけのとても簡単なおくるみです。
パパや他の家族など、いつも育児に関われない方にお願いする時も気軽ですね。
まんまる育児のデメリット
まんまる育児、いい部分が多いと思うのですがちょっと気を付けた方がいい点がいくつかあります。
窒息やSIDSのリスクがある
これまでに「まんまる育児は、まんまるの姿勢のまま寝かせる」と紹介しました。
本の中ではまんまるの姿勢を維持するために、毛布や枕などを使うことを推奨しています。
その赤ちゃんが眠る時に毛布や枕を使う事に、危険が潜んでいるのです。
消費者庁の発表によると0歳児の不慮の事故死のうち窒息死が占める割合は8割。
中でも就寝時の窒息事故死が不慮の事故死の中で3割を占めています。
0歳児の窒息死事故の原因(平成 22 年から平成 26 年までの5年間分)
出典:消費者庁【0歳児の就寝時の窒息死に御注意ください!-家庭内で、就寝時に窒息死事故が多数発生しています- 】
就寝時の窒息死事故の状況について見てみると、掛け布団などの寝具が顔を覆われる・ベッド上の衣類などで顔を覆われるという件数が多いことがわかります。
0歳児の就寝時の窒息死事故の状況(平成 22 年から平成 26 年までの5年間分)
出典:消費者庁【0歳児の就寝時の窒息死に御注意ください!-家庭内で、就寝時に窒息死事故が多数発生しています- 】
ここから、ベッドの中に顔を覆うものがあった事が就寝時の窒息死事故の一因になった事が分かります。
そのため、消費者庁は寝ている子供の顔の近くに、口や鼻を覆ったり、首に巻き付いてしまったりする物は置かないようにするよう呼びかけているのです。
また、毛布などにきゅっと包まれて眠ると赤ちゃんの体温は上昇しやすくなります。
「ジーナ式で赤ちゃんにスリーパーをすすめる理由は赤ちゃんの温め過ぎにあった」
にも書いていますが、赤ちゃんの温め過ぎはSIDS(乳幼児突然死症候群)の危険因子です。
寝ている時も、まんまる育児を継続するのは危険が高いと言えます。
体を動かす機会が減る
まんまる姿勢は寝ている間も起きている間もするように、つまり1日中する事を推奨しています。
本の中ではさして問題のないように書かれていましたが、まんまる育児をちゃんと行うと必然的に運動する機会が減ってしまいます。
まんまる抱っこ育児のまとめ
まんまる抱っこは、私が出会った臨床の助産師や保健師も褒めるような抱っこの方法です。
まんまるになるように抱っこすれば、赤ちゃんが落ち着くのは私も経験したので本当だと思います。
しかし、本の通りすべてをやるのは赤ちゃんの命に危険があります。
ぐずってどうしようもない時にまんまる抱っこをする
親が起きて見守れる時はまんまるの姿勢で寝かせる
赤ちゃんとのスキンシップを大切にする
など、危険のない範囲で取り入れられる部分を取り入れるのがよいと思います。
色んな育児書があって、迷ってしまうかもしれません。
安全で、ママの育児観に合うものをいいとこ取りできたらと思います。
ねんねトレーニングに関するブックレビューはこちらです